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【相続関連ニュース】遺言が無効になる意外な例とは?

読売新聞より抜粋しています。

『弁護士に5億相当贈与、「奇異」と遺言無効判決』

認知症の女性が、親族ではない京都弁護士会の柴田茲行(しげゆき)弁護士(82)に計約5億円相当の遺産を贈与するとした遺言書は無効だとして、女性のめいが京都地裁に起こした訴訟の判決があり、同地裁は遺言は無効とした。
橋詰均裁判長は「女性は遺言作成時、認知症により利害得失を理解できる能力が著しく減退していた」と判断した。
判決によると、女性は呉服店を経営していたが、2003年11月頃に認知症を疑わせる症状が出た。柴田弁護士と店の経営移譲や遺産相続などを相談して「私のいさんは後のことをすべておまかせしている弁ご士にいぞうします」などという遺言書を作り、09年に92歳で死亡した。その後、柴田弁護士は遺言書を基に預貯金計約3億2700万円や、呉服店の株式など約2億円相当の贈与を受けた。
判決は、めいを女性の相続人と認定。橋詰裁判長は「赤の他人の弁護士に全遺産を遺贈しようとするのは奇異だ」と指摘した。

 

 

いやいや、悪いことをする弁護士がいたものですね。
5億という遺産に目が眩んだのでしょうか。
今回遺言が無効になった理由は、赤の他人に財産を遺贈したからではなく、女性が認知症だったからです。
女性が認知症ではなかった場合は、たとえ赤の他人の弁護士に5億円を遺贈する遺言だったとしても問題ないと思います。
遺言には主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」がありますが、今回の場合は文章がひらがな混じりであることから自筆証書遺言ではないかと思われます。
自筆証書遺言とは、その名の通り、自分の自筆で書く遺言です。
公正証書遺言とは、公証役場というところに行って、公証人という人に遺言の中身を伝えて公証人が遺言を作成します。
公証役場に行って、自分で遺言を書くわけではありません。
あくまで作成するのは公証人です。
(ちなみに公証人がかわりに自筆で書くわけでもありません。パソコンで作成します)
なので公正証書遺言がひらがな混じりになることは考えにくいので、今回は自筆証書遺言ではないかと思われます。
おそらく認知症の女性を誘導して書かせのでしょうね。
自筆証書遺言はトラブルが起こりやすいので注意が必要です。
今回の例のように、全くの赤の他人に財産を譲る場合だけではなく、ある一人の兄弟だけが多く財産を相続する場合においても「有利になるような遺言を書かせたんだろう!」と疑われる場合があります。
親からすると、老後に自分の面倒をよく見てくれた子に財産を多くあげたいなどの理由により、「財産はすべて次男に相続させる」などの遺言を残す場合がありますが、あまり極端な遺言はのちのちの兄弟仲を悪化させる原因ともなります。
当事務所でも遺言の作成を承っておりますが、専門家に相談するメリットのひとつに「豊富な相続経験からのアドバイスが受けられる」というものがあると思います。
自分一人で書く自筆証書遺言ですと、極端な内容の遺言が作成されてしまう可能性がありますが、専門家による客観的な意見を取り入れると、のちのちの兄弟間の揉め事を防ぐようなアドバイスもさせてもらえるということです。

ちなみについ先日のお客様の例ですが、お父様を亡くされたとても仲の良い姉妹のお客様で、お父様が公正証書遺言を残されていらっしゃったにもかかわらず、姉妹が話し合われて自分たちの好きなように財産分与をし直してしまいました。
実のところ、遺言があっても相続人の間で円満な分割が出来れば遺言通りにしなくても良いのです。
これもある意味「遺言が無効」になる例と言えなくもありません。
この場合でいいますと、仲の良い姉妹なのですから、お父様は公正証書遺言を作成する時に、これこれこういう内容の遺言を作るんだけど、どう思う?とご相談されればよかったのだと思います。

せっかく残される遺言ですから、相続人の間でわだかまりのないものにしたいですね。